| 辨 |
よく似たものに、ヤブヘビイチゴがある。
なお、食用にしている苺(イチゴ)は別属別種、オランダイチゴ。 |
類似品の花・葉の形は、
ヘビイチゴの瓣は、倒心形、凹頭。
ヤブヘビイチゴの瓣は、狭倒卵形、円頭または僅かに凹頭。
ミツバツチグリの瓣は、倒卵状円形、凹頭。
ヘビイチゴの葉は、黄緑色。
ヤブヘビイチゴの葉は、緑色~深緑色。
ミツバツチグリの葉は、表は緑色、裏は緑白色(屡々帯紫色)。
ヘビイチゴの頂小葉は、広卵形、やや鈍頭。
ヤブヘビイチゴの頂小葉は、菱状長楕円形、鋭頭。
ミツバツチグリの頂小葉は、楕円形~卵形・倒卵形、円頭~やや鋭頭。 |
| キジムシロ属 Potentilla(委陵菜 wěilíngcài 屬)の植物については、キジムシロ属を見よ。 |
| 訓 |
『本草綱目』の引く元・呉瑞『日用本草』に、「人、之を噉わず。蛇(の毒)の殘るを恐るればなり」とある。李時珍は「俗傳に之を食えば能く人を殺すと言うも、また然らず、冷涎を發するに止まるのみ」と。 |
「和名へびいちごハ原ト漢名ノ蛇苺ニ基キテノ名ナラン、蛇苺ハ人之ヲ噉ハズ蛇ノ食フ苺ト云フ意ナルベシ、世人往々此實ヲ有毒ト思惟スレドモ固ヨリ無毒ナリ」(『牧野日本植物圖鑑』)。是より先、『言海』『大言海』は蛇苺は「毒アリ」としていた。
漢名の苺(バイ,méi)、和名のイチゴについては、キイチゴの訓を見よ。 |
『本草和名』虵苺汁に、「和名倍美以知古」と。
『大和本草』苺に、「蛇苺(クチナハイチコ)ハ不レ可レ食」と。
小野蘭山『本草綱目啓蒙』蛇苺に、「クチナハイチゴ ヘビイチゴ ミツバイチゴ薅田藨(ナワシロイチゴ)ト同名ナリ カラスノヤマモゝ」と。 |
| 漢名 蛇苺(ダバイ,shéméi)は、『植物學大辭典』(1918)以来 ヤブヘビイチゴ Potentilla indica とされている。 |
| 属名は、フランスの植物学者 Francois Duchesne を記念して。 |
| 説 |
本州(関東以西)・四国・九州・琉球・臺灣・福建・兩廣・東南アジアに分布。 |
| 誌 |
中国では、全草を薬用にする。 |